第3回老いを支える「第二の家族」、地域ぐるみで 葬儀社が始めた支援事業

有料記事実録・身元保証業 身寄りなき老後

石川春菜 山田史比古
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 「脚、痛いの? 病院に電話して、予約取ろうか」

 一人暮らしの女性(87)の自宅を訪問した男性が、話しかける。

 「やっぱり、検査してもらった方がいいよねえ……。どうしたらいいかわからなくて」

 まるで家族のようなやり取りだが、男性は、千葉県柏市の一般社団法人「こもれびの和」のスタッフだ。

 同法人は、病院や高齢者施設への入院・入所時の「身元保証」や、病院や買い物への付き添いなどの「生活支援」、葬儀などの「死後事務」を手がけている。

 女性にサービスを提供し始めたのは約3年前。生活支援として週1回訪問したり、日常の困りごとの相談を受けたりするなどしている。

 10月下旬のこの日は、「脚が痛む」という女性の訴えを聞いて、スタッフが以前受診した病院を調べて電話。受診日の調整をした。ほかにも、スマートフォンの操作方法を教えたり、防犯ステッカーを玄関に貼ったり。

 女性は「助けられてるんですよ。一人だと誰にも相談できないから」とほほえむ。

 女性に子どもはおらず、夫が「万が一に備えよう」と申し込んだのがきっかけだった。お互いのきょうだいなど親族はいるが、遠方などの理由で頼ることは考えられなかった。

 それからまもなく夫は亡くなり、女性は一人暮らしになった。

「地域密着」にこだわる

 これまでに受けた支援は、夫…

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この記事を書いた人
山田史比古
くらし報道部|社会保障・福祉担当
専門・関心分野
社会保障・福祉、住まい、身寄り問題、相続