日本最古の「牛川人」、実はクマの骨だった 東大などの研究グループ
編集委員・宮代栄一
かつて日本最古とされた「人骨」は、実はクマの骨だった――。1950年代に愛知県豊橋市で発見された化石人骨「牛川人」を鑑定したところ、クマの腕と足の骨の一部だったことがわかった。東京大学総合研究博物館の諏訪元・特任教授らの研究グループが、日本人類学会の機関誌で明らかにした。
牛川人の骨は57年、同市牛川町の採石場で見つかった。当時、中期更新世(78万1千年~12万6千年前)までさかのぼる化石人骨として報告され、国内最古の化石人骨の一つとして日本史の教科書にも掲載された。だが、80年代から研究者の間で「人の骨ではないのでは」との疑念も呈されていた。
新潟医療福祉大学の佐宗亜衣…