「原子力で260億円コスト減」 東北電幹部が語る女川再稼働の意義

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聞き手・中島嘉克
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 13年7カ月ぶりに再稼働した東北電力女川原発宮城県女川町石巻市)2号機。東北電はなぜ、原発を動かすのか。同社の青木宏昭原子力部長に聞いた。

「再稼働、震災の復興に結びつく」

 ――女川2号機の再稼働の意義は

 東日本大震災で被災した沸騰水型炉(BWR)として初めての再稼働だ。震災の復興に結びつくものだと考えている。

 社会的には、原子力はエネルギーの安定供給やカーボンニュートラルへの貢献に、非常に大きな意義がある。

 ――安定供給とは

 火力のエネルギー資源はウクライナ情勢や中東情勢によって価格などが非常に左右される。原子力の資源はもうほぼ調達しているので、世界の情勢などに大きく影響されることがない。

 再生可能エネルギーも天候などに大きく左右される。安定してエネルギーを供給できるのは原発ということになる。

 ――経営的なメリットは

 原子力が動けば、火力発電所の燃料費の低減効果がある。今年度は260億円程度の効果だ。原発で働く人たちや原子力に携わる人たちが誇りを持って、責任を持って仕事に励んでもらえるということに、私は大きな意義があると考えている。

避難計画には「資機材で協力・貢献できる」

 ――安全対策工事には570…

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この記事を書いた人
中島嘉克
仙台総局
専門・関心分野
デジタル、AI