戦闘開始11日で「アサド政権崩壊」 反体制派の作戦成功の背景は

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イスタンブール=根本晃 エルサレム=高久潤
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 10年以上にわたるシリア内戦は、8日に反体制派が首都ダマスカスに突入し、アサド政権の「崩壊」を宣言したことで大きな岐路を迎えた。戦闘を開始してからわずか11日で各地の主要都市を次々と制圧し、首都までたどり着いた。反体制派の急速な進軍の背景に何があったのか。

 「ダマスカスは暴君・バシャール・アサド(大統領)から解放されたことを宣言する」

 8日朝、北西部イドリブを拠点とする過激派組織「シャーム解放機構」(HTS、旧ヌスラ戦線)が率いる反体制派は、SNSにこう投稿した。ダマスカスへの突入を宣言してからわずか数時間後だった。

 政権軍はほぼ抵抗することなく敗走したとみられ、アサド氏は飛行機でダマスカスを脱出したと伝えられている。親子2代で50年以上にわたったアサド家の支配は、急速に崩壊に向かって進んでいる。

 反体制派が「(アサド政権に…

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この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学
高久潤
エルサレム支局長
専門・関心分野
グローバリゼーション、民主主義、文化、芸術
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2024年12月9日1時59分 投稿
    【視点】

     12月8日、現地時間の11時20分(日本時間17時20分)に私はテルアビブ在住の元イスラエル政府高官とこんなやりとりをしました。 ――アサド政権の崩壊を予測していたか。 「まったく予測していなかった。イスラエル、アメリカ、ロシア、イラン

    …続きを読む