第1回長時間労働の職種ほど正社員の女性少なく 67職種を朝日新聞が分析

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中山美里
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 男性の労働時間が長い職種ほど、正社員として働く女性の割合が少ない傾向があることが、朝日新聞の分析でわかった。女性は出産を機に非正規雇用に転じる人が多く、長時間労働が求められる正社員にとどまるか、労働時間をコントロールしやすいが昇進の可能性が低くなる非正規に転じるかの二者択一を強いられている現状がうかがえる。結果からは、長時間労働を前提とした正社員の働き方が、子育て世代の負担になっていることが浮かび上がる。

 朝日新聞は、慶応大学の山本勲教授(労働経済学)の監修のもと、総務省の就業構造基本調査(2022年)で集計された計67の職種別に、男性正社員の週平均の労働時間と、女性正社員割合の関係を調べた。

 その結果、男性正社員の労働時間が長い職種ほど、女性正社員の割合は低い傾向があった。

記事の続きで、職種別の分析結果がご覧になれます

 実は日本の長時間労働は、生産性が上がっていません。2040年には現役世代が現在の8割に減る「8がけ社会」において、どのような働き方が求められるのか。
 連載では、性別によって著しく偏りが生じる働き方の問題点や、誰もが働きやすい新たな働き方について考えます。

 就業者が最も多い「一般事務…

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この記事を書いた人
中山美里
デジタル企画報道部
専門・関心分野
データ分析、働き方、ジェンダー、環境
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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年12月19日6時0分 投稿
    【視点】

    長時間労働が女性のキャリアの制約になることは、ずっと前から指摘されてきたが、この記事の分析は、職種単位で就業者の性別分布の偏りと労働時間を明らかにしている。「働き方改革」や残業時間の上限規制が(一応は)実施されたにもかかわらず、正社員の残業

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  • commentatorHeader
    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2024年12月19日6時0分 投稿
    【視点】

    この分析は、ワークライフバランスと男女平等が非常に重要な相関を持っていることを示しています。なぜ女性が正社員・正職員としてキャリアを積めないのか?の大きな要因の一つが、子育てなど家庭内のケア労働と、長時間労働を前提とした仕事との両立ができな

    …続きを読む