美しさに磨き 来年も 倉敷・大原美術館で大掃除
岡山県倉敷市の美観地区にある大原美術館で16日、年末恒例の大掃除があった。
この日は、本館で開催中のコレクション展に展示されている約80点が掃除の対象となった。壁から外せる作品は慎重に床に下ろされ、職員ら約40人が総掛かりで、モネの「睡蓮(すいれん)」などの作品の額縁からはけでほこりを払い、絵を保護するアクリル板の汚れを丁寧に拭き取った。学芸員の塚本貴之さんは「多くの人に出あってきた一年の労をねぎらう、けじめとしています」と話した。
今年は4月に美術館と倉敷考古館の運営団体が合併して「大原芸術財団」が発足。10月には長年美術館に関わり、2023年まで館長を務めた美術史家の高階秀爾氏が亡くなった。財団の藤田文香事業部長は「新しいことも悲しいこともあった一年でした」と振り返る。
今年度の来館者は23万人弱と、昨年度の23万7千人をわずかに下回る見込み。夏場の猛暑で国内客の足が鈍ったという。
藤田部長は「来年は大阪・関西万博も瀬戸内国際芸術祭もあるので、いろんな方に来ていただきたい」と話した。
芸術祭に合わせ、兵庫・香川・岡山の3県の8美術館が連携して現代アートの展覧会を開くプロジェクトへの参加が決まっている。
23~27日は休館。28日から通常通り開館する(来年1月1日は本館のみ)。