訪日客ふえても宿泊数に偏り ワースト1、2に沈む奈良と千葉の悩み
大和田武士 益田暢子
訪日客(インバウンド)の数がコロナ禍前を超え、過去最多を更新した。ただ宿泊先、消費先の7割が大都市圏に集中しており、地方部には恩恵が十分に及んでいないのが現状だ。
観光立国を掲げる政府は2030年に訪日外国人数6千万人、消費額15兆円の達成を目標に掲げる。今年の訪日外国人数は1カ月を残して3337万9900人となり、過去最多に。消費額も1~9月(5兆8582億円)で、すでに過去最高だった23年(5兆3065億円)を更新している。
インバウンド需要について、中野洋昌国土交通相は11月15日の会見で「非常に好調」とした上で、「偏在傾向が見られる」ことが課題との認識を示している。宿泊先、消費先とも3大都市圏の8都府県(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫)に約7割が集中し、地方部への広がりに欠けているためだ。
23年の消費動向調査をみる…