四国は高校演劇の最激戦区 松山東は既存脚本で「本当の世界」を表現

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宮沢崇志
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 「文化部のインターハイ」とも呼ばれる全国高校総合文化祭(総文)が来年夏、香川県で開かれる。演劇部門(兼全国高校演劇大会)への出場を目指し、松山東の演劇部員たちが12月25、26日に開催される四国大会に臨む。

 5日の放課後、教室で練習が続いていた。部員たちへ「そこは(台本を)見ながらでいいから」と演劇部を指導する横川節さん(63)が声をかけた。練習では、セリフを間違えずに言うよりも、その場面での登場人物の心情や思いに気を使ってほしいと考えての指導だ。

 2022年の全国大会で松山東は、創作脚本「きょうは塾に行くふりをして」で、最優秀賞を受賞した。今年は既存の脚本で全国大会を目指している。選んだのは、15年に大分豊府が演じて全国最優秀賞に輝いた「うさみくんのお姉ちゃん」だ。

 高校生の「宇佐美健太」には、同じ学校に通う気の強い姉「あかね」がいる。健太は同級生で、人と話すのが苦手な「溝呂木」に、女子と話す練習をしてもらおうと、あかねと会わせるのだが――。放課後の教室を舞台に、高校生の人間関係や姉弟の間の感情の動きが描かれる。

登場人物、ピタリと部員に

 松山東のように、全国最優秀の経験がある「強豪」が、既存の脚本で全国大会を目指すのは珍しいという。長年、演劇部を指導してきた横川さんは「部員が舞台経験を積むため、校内での公演用に選んだ脚本でした。演じてみると、まるでそれぞれの部員のために書かれているかのようにしっくりきました」と話す。

 演じる部員の特徴を生かして…

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宮沢崇志
松山総局
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