川崎市長選まで残り1年弱 「4選出馬は?」福田紀彦市長に聞くと…

聞き手・佐藤英法
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 来年秋に予定されている川崎市長選まで1年を切った。共産党は関係する政治団体からの候補者擁立をめざしているが、ほかの主要政党は現職の福田紀彦市長(52)の出方を見守っている状況だ。4選出馬はあるのか。福田市長に聞いた。

 ――4期目に向けた進退表明はいつになりますか。

 「まったく今、考えていなくてですね。議会で(進退表明を)やりたいと思っています」

 ――もし4選出馬となれば、「多選批判」も予想されます。

 「多選の弊害はあると思います。10年やっていると担当職員は入れ替わりますから、経緯から知っている僕のほうが詳しいということになる。新しいものがなかなか生まれなくなるのも、自然の摂理としてそうだと思います。そこは常に自らを律し、厳しい意見に接して、弊害を生まないようにする努力は必要でしょう」

多選の弊害あるか「有権者の判断」

 「一方で、弊害があるかないか、今の路線を先に進めてもらいたいかどうかは市民が判断することで、有権者の判断こそがすべてと思います」

 ――3期目の公約では「特別市(特別自治市)を目指す」と掲げましたが、まだ乗り越えるべき壁があると思います。

 「人口減少社会で、どう国家を持続させ、成長させていくか。危機的な状況だと思っています。人手不足で自治体職員も集まらなくなってくる」

 「では、日本全体としてどうしていくかというとき、『最適化』がキーワードだと思います。今の硬直した都道府県と市町村の二層制がいよいよ制度疲労で限界にきている」

 「最近は経済界とも情報交換をしていますが、(国会議員よりも)経済界の方が話が合ってきた感じがします。危機的な状況を認識している経済同友会をはじめとした経済団体などと一緒に大きな抜本改革を目指していきたいと思っています」

「100年に一遍の大改革」

 ――残りの任期は1年を切りました。印象に残っている政策判断は。

 「3期目では脱炭素社会に向けて地域エネルギー会社を作ったり、新築住宅の太陽光発電設備の設置を条例で原則義務化(2025年4月開始)したりしました。大規模な開発でも脱炭素に集中して取り組んできました。100年に一遍の大改革だと思います」

 「(7月に)米国のニューヨーク州とボストンを視察しましたが、新しい産業クラスター(集積地)をつくるうえでアカデミアの力は欠かせない。(JR浜川崎駅周辺の臨海部で再開発が進む)南渡田地区もそうです。キングスカイフロント地区(川崎区殿町地区)のライフサイエンスや新川崎地区にある量子コンピューターを活用する量子イノベーションパークと連携し、新しい技術で脱炭素化を進めながらモノづくりをする方向につながってきています」

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