実は70年代から継続する少子化 誤解生む「反転」という言葉

有料記事少子化を考える

川野由起
[PR]

 少子化に歯止めがかからない。2024年に国内で生まれた日本人の出生数を朝日新聞が推計したところ、68万7千人程度と推計され、70万人を下回る見込みとなったことがわかった。

 子どもを産む女性の数が減少していることに加え、未婚化や晩婚化、キャリアとの両立や経済的要因から結婚しても子どもを持たないなど、個人の選択の変化が複雑に絡み合う。

 政府は「2030年代に入るまでが少子化傾向を反転させるラストチャンス」とし、子育て世帯への経済対策や、共働き共育て支援を拡充してきた。

 だが、東京大の白波瀬佐和子特任教授(人口社会学)は「少子化の進行は1970年代半ばから長期にわたって継続しているので、『反転』という言葉は誤解を生む」と指摘する。

個人の生き方の保障、子育て支援と両輪で

 結婚や出産は個人の自由で…

この記事は有料記事です。残り829文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
川野由起
くらし報道部
専門・関心分野
こどもの虐待、社会的養育、ケア、依存症、生活保護