ボルト穴のあけ間違い隠蔽、投書で発覚 橋170カ所緊急点検 兵庫
兵庫県三木市の窟屋(いわや)大橋橋梁(きょうりょう)耐震補強工事で、橋げたと橋脚や橋台をつなぐ鋼製の受け台(ブラケット)について、ボルト穴のあけ間違いを隠すため、請負業者が穴の位置があわない箇所を溶接でふさぎ、再度穴をあけ直していたことが分かった。県が24日、発表した。震度7クラスの地震が起きた際、ブラケットの一部が壊れて段差ができる可能性があり、県は同様の補強工事をしている県内約170カ所の橋の緊急点検を始めた。
問題になっているのは、同市の志染川にかかる県道平野三木線窟屋大橋の耐震補強工事。2023年度に完成したが、粗雑施工が行われたとの投書があり、県が調査していた。
県道路保全課によると、ブラケットのボルト穴の位置について、施工図作製時に記載ミスがあり、工場で製作する際も修正されなかった。現地で設置する際に、請負業者は穴のあけ間違いに気づいたが、県監督員に無断で、間違えた穴をふさいだり、正しい位置にあけ直したうえで塗装して分からないようにしたりしていた。
県の調査に、下請けのタナカ工業(姫路市)と元請けの藤健建設(小野市)は事実関係を認めたという。粗雑施工が確認されたのは、この橋に設置された44個のブラケットのうちの9個で、124カ所にのぼるという。同様の補強工事をしている橋は県内約170カ所にあるが、県はこのうち、両社が携わった計6カ所を優先的に調査するという。
同課は「初歩的な図面の作製ミスを隠蔽(いんぺい)しており、かなり悪質。発注者として見抜けなかったのは残念であり、再発防止に努めたい」としている。
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