51億円の新校舎は建つ?統廃合は必ずセット? 奈良の小学校で何が

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富岡万葉
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 奈良市立佐保小学校(法蓮町)の新校舎建設が暗礁に乗り上げている。市が当初予定した建設事業費では足りない見通しだが、増額もできない状況に陥っているのだ。この建設は、市立鼓阪(つざか)小(雑司町)との統廃合も含む「学校規模適正化」の一環。統廃合には地域住民が反対の声を上げている。何が起きているのか。

「肝いり」の新校舎建設、費用は51億円

 両校の学校規模適正化が明らかになったのは2022年。市教育委員会は、鼓阪小を廃校として隣の佐保小に統合し、佐保小の敷地に新校舎を建てると掲げた。

 佐保小の建て替えの直接的な理由は、現校舎の老朽化だった。だが、統廃合のための校舎建設という枠組みであれば、国の補助金や交付税措置を受けられるという。

 設計された新校舎は、体育館と一体型で、大きな吹き抜けが備えられている。構造上、一般的な校舎より1平方メートル当たりの建築費用は割高だという。仲川げん市長は11月の定例会見で「新しい(教育)環境のモデルを目指す」投資だと語り、「肝いりのプラン」と胸を張った。

 市が今年3月に最初に示した建設事業費は約51億円で、当時の試算では市の負担を約22億円と見込んだ。市議会はこの予算を認めた。

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