帰ってきた孫が変えた山あいのレトロ食堂 週末には130人が行列

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浅田朋範
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 静かな山あいの街で、その店はまるで異空間のようににぎわっていた。

 冷え込みが激しくなった師走の週末。都心から電車でも車でも2時間はかかる場所にもかかわらず、店内は満席で、店の前には行列ができている。

 埼玉県秩父市の飲食店「パリー食堂」は、休日には約130人が訪れるという県内屈指の人気店だ。

 東京都江戸川区の会社員田中一鉄さん(26)は同僚と初めて来店した。行きの電車内で秩父の飲食店を検索し、タイムマシンで昔に戻ったような写真にひかれた。

 「外観がよかったので、ここで食べようと決めた。店内もレトロで、おばあちゃんの家に来たような気分になれた」

 秩父神社に近い商店街の一角で、4代目の川辺晃希さん(29)が1927年の開店時から変わらぬ姿の店を切り盛りしている。

 小学生のころから高校卒業ま…

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この記事を書いた人
浅田朋範
さいたま総局|事件担当
専門・関心分野
多文化共生、貧困、裁判