2年超の空白、死刑執行へ世界の厳しい目 「人権外交」に矛盾批判も

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久保田一道 森下裕介
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 2024年は昨年に続き、死刑の執行がなかった。最後の執行からの期間は2年5カ月となり、法務省が07年に執行対象者の名前や犯罪事実の公表を始めてから最長となっている。何が起きているのか。

 執行の検討は法務省内の極めて限られた範囲で行われている。判断の経過が明らかにされることもない。

 ただ、ある幹部は言う。「この状況で執行するのは、社会の理解が得がたいと考えたのではないか」。念頭にあるのは事件発生から58年後の今年、強盗殺人などの罪で確定死刑囚となっていた袴田巌さんに言い渡された再審無罪だ。

 再審無罪が確定したのち、最高検は捜査・公判の異例の検証に入り、26日に結果を公表。取り調べに問題があったことを認めた。こうした状況が、執行の判断に影響を及ぼしているとの見方は、省内に少なくない。

■死刑囚いまも100人超…

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この記事を書いた人
久保田一道
東京社会部|法務省担当
専門・関心分野
法制度、司法、外国人労働者、人口減少
森下裕介
ネットワーク報道本部|地方裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権