奈文研が年輪年代測定の基礎データ公表 研究45年の成果、活用期待

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今井邦彦
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 奈良文化財研究所(奈文研、奈良市)は昨年12月、同研究所が蓄積してきた年輪年代測定のための年輪データを順次、ネット上で公開していくと発表した。まず平城宮跡で出土した板材や木製品、計18点の年輪の画像データなどが研究所のホームページにアップされた。

 年輪の幅は、年ごとの気候条件で変動する。年輪年代測定法ではまず、多数の樹木をサンプルにして、数百年、数千年分の標準的な変動パターンの折れ線グラフを作成。年代を特定したい木材や木製品の年輪幅のパターンが、この標準パターンと一致する部分を探し、その木材が伐採された年を特定する。

 奈文研は1980年ごろから研究を始め、大阪・池上曽根遺跡の大型建物の柱の年代を紀元前52年、法隆寺五重塔の心柱の年代を594年と判定するなどの成果を上げてきた。一方で、測定結果の再検証のため、データの公開を求める声も出ていた。

 今回公開されたのは、201…

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この記事を書いた人
今井邦彦
専門記者|歴史・文化財
専門・関心分野
歴史、考古学、文化財、サブカルチャー