AI需要増で原発必要? 政府論理は「オオカミ少年的」 識者が指摘

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聞き手・中島嘉克
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 生成AI(人工知能)の普及に伴いデータセンターや半導体工場が増え、将来の電力需要は増加する――。政府はそんな予測に基づき、再生可能エネルギーとともに原発を「最大限活用」すべきだとする。ただ、エネルギーと環境の問題に詳しい明日香寿川(じゅせん)・東北大教授はその議論を「間違っている」と一蹴する。一体、どういうことなのか。

「再エネと省エネで十分カバーできる」

 ――経済産業省が昨年12月に公表した新しい「エネルギー基本計画(案)」(エネ基案)では、2040年度に電力需要が最大で約1・2倍に増えると見通し、再エネとともに原発を最大限活用するべきだとしています

 データセンターやAIなどの拡大に伴って日本の電力需要が急増し、電力供給不足を回避するために原発が必要だという議論は、一見まともなようですが、実態を無視したオオカミ少年的な議論です。

 様々な研究機関が日本の電力…

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この記事を書いた人
中島嘉克
仙台総局
専門・関心分野
デジタル、AI