風俗スカウト集団、報酬70億円か 「悪質な人身取引」捜査本部設置

吉村駿
[PR]

 SNSで募った女性を性風俗店に派遣したとして、スカウトグループ「アクセス」の男らが逮捕された事件で、このグループが2019~24年に46都道府県の約350店舗に女性をあっせんし、店側から紹介料として計約70億円を受け取っていた疑いがあることが警視庁への取材でわかった。同庁は8日、悪質な人身取引と判断し、全容解明に向けて特別捜査本部を設置した。

 保安課によると、アクセスは、遠藤和真容疑者(33)=職業安定法違反罪(有害業務の紹介)で起訴=がリーダーで、300人規模。メンバーはSNSや知り合いの紹介で増えていき、女性を派遣する店舗の開拓役やスカウト役などと役割が分担されているという。

 同課によると、SNSなどで応募してきた女性を容姿で8段階にランク分けし、それぞれの店に紹介していた。派遣した女性が稼いだ一部を店側から紹介料として受け取る「スカウトバック」は19年7月~24年10月で計約70億円とみているという。

 同課は、20代の女性を大分県内の風俗店に派遣したとして、リーダーの遠藤容疑者を職業安定法違反(同)の疑いで再逮捕したと9日発表した。「把握していないので分かりません」と容疑を否認しているという。逮捕は3回目。

 また、女性に売春する場所を提供したとして、同課は7日、埼玉県川口市のソープランド「ChouChou(シュシュ)」の代表ら2人を売春防止法違反(場所提供)の疑いで現行犯逮捕した。アクセスは、川口市の店舗にも約40人の女性を派遣したとみている。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
吉村駿
東京社会部
専門・関心分野
事件・事故、スポーツ、生き物