第3回NISAと似てるが…格差配慮の韓国版、市場低迷で「二兎追う」現実

有料記事新NISA 誰のため

ソウル=東谷晃平
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 「万能口座」「国民通帳」。日本のNISA(少額投資非課税制度)から2年遅れでスタートした韓国版ISAは、そう呼ばれる。現場をたずねると、国民の資産形成と、国内市場の活性化という、二兎(にと)を追おうとして苦しむ姿が見えてきた。

 韓国第2の都市、釜山。日本からは最も近い海外として知られ、貿易の中心として栄えたが1995年に約388万人だった人口は約30年間でおよそ60万人も減った。

 「生活はどんどん苦しくなる」。市内に住む男性(32)はコーヒーの入ったマグカップを両手で包み込みながらつぶやいた。この数年で物価は跳ね上がったが、給料は年間4千万ウォン(日本円で440万円)から、ほとんど上がっていない。父親は通信会社の社員。多いとは言えない給料から兄弟2人を大学まで行かせてもらった。

 将来への不安から1年前、I…

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