UNRWAを敵視する理由 イスラエル元国連欧州本部大使に聞く

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エルサレム=高久潤
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 パレスチナ難民への人道支援を担う国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のイスラエル国内での活動を禁止する法律が30日、発効した。国会で圧倒的多数の賛成で可決されたこの法律は、イスラエルが一方的に併合して自国の一部と見なしている東エルサレムのほか、イスラム組織ハマスとの戦闘を続けてきたパレスチナ自治区ガザなどで、パレスチナへの人道支援を困難にすることが懸念されている。なぜUNRWAの活動禁止まで求めたのか。イスラエル側の敵視の理由を、イスラエルの元駐国連欧州本部大使のロニ・レシュノヤール氏に聞いた。

 ――なぜ、イスラエルはUNRWAの活動停止を求めるのでしょうか。

 「職員が、2023年10月7日のハマスのイスラエルへの襲撃に関わっていました。市民約1200人の虐殺に国連組織の職員が明確な意思を持って参加していた。この恐るべき事実を忘れてはいけません」

■パレスチナ人の人道危機は深…

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この記事を書いた人
高久潤
エルサレム支局長
専門・関心分野
グローバリゼーション、民主主義、文化、芸術
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    川上泰徳
    (中東ジャーナリスト)
    2025年2月1日1時17分 投稿
    【視点】

     イスラエルはパレスチナ難民問題に対して、戦争でパレスチナを出たアラブ避難民は、アラブ諸国が受け入れるべきであって、難民として扱われるべきではない、と主張してきた。イスラエルはアラブ諸国を追われたユダヤ人を国民として受け入れたのだから、と。

    …続きを読む
イスラエル・パレスチナ問題

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イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]