(書評)『辺縁の自由人 ある歴史学者の選択』 李永熾〈口述〉 李衣雲〈筆記〉

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 ■主流とはならず、理想に忠実に

 守り通したのは自主と自由だ。干渉を排し、自身が描く理想に忠実であり続けた。そうやって激動の時代を生き抜いた。

 台湾の歴史学者で、日本史の研究者、日本文学翻訳者としても知られる李永熾の半生記。実娘の衣雲が口述筆記した。

 李は、日本植民地下に生まれた。日本の敗戦

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