営業先へのチョコ、なぜ自腹? 生保外交員の疑問から訴訟が始まった
編集委員・沢路毅彦
どうして自腹を切らなければいけないのだろうか。
住友生命保険の京都支社で保険商品を販売する外交員として働く50代の女性が営業費用の自己負担に疑問を感じ、行動を起こしたのは2018年3月のことだ。
毎月の給与から天引きされていた「経費」が2千円から3千円に引き上げられると、上司から告げられた。
経費の名目はトナー代。3千円になる理由の説明はなかった。これとは別にコピー費も1枚7円で引かれていた。
正規雇用の外交員として働いている。他の地域を担当している知り合いに尋ねると、「私たちはもっと高い」と言われた。以前から毎月3千円を負担しているという。
労働基準監督署を訪れて相談した。すぐに結論は出ず、「本省(厚生労働省)で扱うことになった」と連絡があったという。
自己負担はコピー代だけではなかった。
請求額は250万円
「ずっとおかしいと思ってい…
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