語りかける遺留品たち 津波のがれきから見つかった5千点、処分へ

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西堀岳路
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 その部屋の棚には、ひび割れたランドセルや壊れたトロフィー、よれた手帳などがぎっしり展示されていた。かわいいストラップやプリントシールの写真シールで飾られた砂のついた携帯電話に、どんな持ち主だったのかと想像せずにはいられない。親か友達の姿か、子どもが描いた絵も。この子はどうなったのだろう……。変色した写真のなかの人たちは笑顔だ。

 東日本大震災の津波などで約470人が亡くなった福島県いわき市。がれきのなかから見つかった、こうした「津波遺留品」の展示と返還事業が今年も10日から「いわき震災伝承みらい館」で始まった。毎年定期的に行ってきたが、震災から14年近くたち、今回が最後となる。訪れる関係者が減り、遺留品の劣化も進んだためだ。残った品々は保管せず、今年の3月11日に近くの寺で供養して焼くという。

 初日の10日午前は3人が訪れた。

 「本当は来たくなかった」と…

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東日本大震災

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