秋常山1号墳を堪能した後は隣の2号墳へ。
1号墳の後円部から望む2号墳。
1号墳と2号墳との谷間。
2号墳から見る1号墳。
2号墳は墳頂に埋葬部の見学施設がありました。
埋葬施設の説明板。
秋常山2号墳の埋葬施設
秋常山2号墳では、平成16年度に埋葬施設の発掘調査を行いました。 整備では、発掘した状況を復元展示しています。
調査の結果、 埋葬施設は「粘土槨」と呼ばれる種類のものであることがわかりました。 墳丘の中心部に長さ3.3m以上、幅2.5mの四角い穴を深さ60~70㎝程度掘り、中心部をさらに掘り下げて木棺を設置し、粘土で覆っています。木棺は長さ2.6m・幅65~70㎝・高さ60㎝程度あったと想定され、北側に頭を置いたと考えられます。副葬品は頭側に刀子・竪櫛・滑石製臼玉・針がまとまって置かれ、足の両側には鉄刀が一本ずつ置かれていました。
ガラス越しの埋葬部。頭側ですが...
墳頂には埴輪が並べられています。
その説明。
埴輪
埴輪とは、古墳に並べられた土製の焼物です。秋常山2号墳では、円筒埴輪と朝顔形埴輪が発掘調査で出土しました。 出土状況から当初は墳頂部の周囲にめぐらされていたと推定されます。
円筒埴輪は高さ約50cm、朝顔形埴輪は高さ約75cm程度に復元され、朝顔形埴輪のみ外面を「ベンガラ」と呼ばれる顔料で赤く塗っていました。赤く塗ることで、邪悪なものを排除する力が宿ると考えられたようです。
こうした点から、秋常山2号墳の埴輪は被葬者が眠る墳頂部を聖域として区画し、 被葬者の肉体を守護する役割があったと考えられます。
埴輪をもつ古墳は能美市内の古墳では唯一で、2号墳の被葬者の特殊性がうかがわれます。
西側に回り込むと扉が。
そこにあった2号墳の解説。
秋常山2号墳
秋常山2号墳は南北約27m、東西約32.5m、高さは東側で約4.8m、西側で約2.8mの方墳です。発掘調査では、墳頂部や斜面から円筒埴輪と朝顔形埴輪の破片が多く出土しており、出土状況から墳頂部の周囲に並べられていたと推測されます。 埴輪を持つ古墳は能美市内で初めての発見となりました。
また、墳丘の西側裾から、やりがんな、鑿、鉄斧などの鉄製工具と砥石がまとまって出土しています。
埋葬施設は、木棺を粘土で覆う「粘土」であったことがわかりました。 北側を頭にして、 頭部付近には刀子・針・竪櫛・滑石製臼玉、 足部の両側には鉄刀を1本ずつ副葬していました。造られた時期は埴輪や副葬品から5世紀半ば頃と考えられます。 古墳のさまざまな特徴から、1号墳の被葬者と関連があり、 生前に祭祀の場で活躍した人物の姿が想像されます。
ドアには「開館中」と。
埋葬施設が間近で観察できる施設となっていました。
木棺の跡が丸く残っています。
能美古墳群や周囲の古墳についての解説も。こんなに数が多かったとは。
2号墳の西側は広場のようになっています。
そこに置かれた、陶板と立体のハイブリッドマップ。
平地に浮かぶ島のように見える丘は、いずれも古墳群が形成されています。
北西方向の眺め。かつては海が入り込んでいたのでしょうか。