康平ちゃんが、西田敏行の棺を載せた黒の霊柩車に、
寄り添っている。 そして出棺…。 その瞬間に、康平ちゃんが手を伸ばして、クルマにさする様に触った。 まるで『ありがとう』と、言うように。 見る見る顔が歪んで二、三歩カメラを避けるように後ろに下がる。 泣いていた。 苦しそうに。 堪えきれない気持ち…。 肩を震わせて。 康平ちゃんのそんな顔。 初めて見た。 それを見た私、凍りついた。 心に衝撃が走った。 何故? 何故って…。 私は「常に強くて明るくてパワー全開の大友康平を、無意識に求めている」のだ、という自分の残酷なファン心理に気がついた。 康平ちゃんごめんなさい。 酷いよね…。私。 とても、康平ちゃんは西田さんに可愛がっていただいた、という。 楽屋のれんも、西田敏行さんから…。 真っ赤な地に、クラシックな感じのマイクと、その下にffと染めてある。 大友康平、憔悴しきっていたという。 自らも、癌の手術を終えて復帰して間もない。 私も分かるんです。 闘病直後に癌友が亡くなりました。彼女は私より、若かった…。 棺に寄り添う中学生のお嬢さん。 私は葬儀に最後までいられなかった…。ダダが、私の手を握って、振り切るように一緒に外に出た。 ダダも泣いていた。 『絶対に、ダダが守ってあげるから…。ダダが絶対、かあたんを…。』 葬儀会場の駐車場で二人で泣いた。 康平ちゃんの黒のスーツ、肩の辺りに、冷たい秋の雨粒。 泣いていいんだよ…。 |
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Author:Dolce
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