平日朝の情報番組「ズームイン!!朝!」(日本テレビ系)の人気コーナー「ウイッキーさんのワンポイント英会話」を覚えている方も多いのではないでしょうか。生放送で、道行く人にいきなり英語で話しかける突撃スタイルで人気を博しました。
ウイッキーさんは東京大学で博士号を取得した海洋生物学者でもあります。来日した当時はまったく日本語がわからなかったそうですが、どのように日本語を習得したのでしょう。80歳を過ぎた今も現役で英会話を教えているウイッキーさんに、外国語習得のコツや60年以上にわたる日本での生活について聞きました。
来日のきっかけはマグロ
――日本に来ることになったいきさつを教えて下さい。
スリランカの水産庁で研究員として働き始めた頃、漁師にマグロの捕り方を教えるという任務を命じられました。1960年のことです。でも、マグロの捕り方なんて自分もまったくわからない。毎日のように早朝から夕方まで海に出たけど、全然捕れませんでした。
国連から派遣されていた日本の人から「海外で漁業の基礎を勉強してきなさい」と言われて、漁業が盛んで留学制度がある国を探しました。その中で、カナダか日本のどちらかに行きたいと思って、両方の試験を受けました。先に合格通知が届いたのが日本だったので、日本の文部省(当時)の国費留学制度で勉強することになりました。カナダの試験にも受かっていたので、もしカナダの結果が先に届いていたら、日本でこんな長く過ごすことにはならなかったでしょうね。
――日本語は来日前から勉強していたんですか。
全然。筆記も面接も試験は全部英語だったから、日本に行っても英語で学べると思ってました。日本語で勉強しなければいけないことを知ったのは日本に来てからです。そりゃあ、びっくりしましたよ。
最初の1年間は、大学で日本語の勉強だけをする予定ですと言われました。でも、奨学金は2年までしか出ません。研究のために日本に来たのに、半分の時間を日本語の勉強だけで終わるのはもったいない。日本の文部省に相談したら、「3カ月後に日本語の試験を受けて、合格したら日本の大学の試験を受けていい」と言われました。
日本語習得にあたり、さまざまなことに取り組んだウイッキーさん。短期間で身につけるために必死の努力を重ねました。記事の後半では、日本語にまつわる失敗談や、「ズームイン!!朝!」出演の意外ないきさつについても語ってくれました。
「ズームイン!!朝」さながらの日本語習得法
――どうやって勉強したんでしょう。
当時住んでいたのは駒場の留…