「歴史の創造者であり裏切り者」 元国連大使が見たゴルバチョフ氏

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牧野愛博
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 ゴルバチョフ元ソ連大統領は、世界や日本に対して何を残したのか。ゴルバチョフ氏がソ連共産党書記長に就任した1985年当時、ソ連の日本大使館に勤務していた西田恒夫元国連大使は「歴史の創造者でもあり、裏切り者でもありました」と語る。

 西田氏がソ連に赴任した82年、ソ連はブレジネフ体制末期だった。当時、モスクワの外交団の間では「ゴルバチョフという政治家がいる。ソ連の希望の星のようだ」という評価が出回っていた。西田氏は「若く、改革者らしいという評判でした。英米両国の関係者の期待が特に高かったことが印象に残っています」と語る。

 ゴルバチョフ氏は書記長に就任すると、社会の構造改革を行うペレストロイカ(立て直し)とグラスノスチと呼ばれる情報公開、言論の自由化を推進した。91年4月には訪日し、日ソ関係の改善を目指した。

 西田氏は「ソ連の体制はすで…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島