「働かない」「使えない」…ヒラが同僚をバカにするとき喜ぶのは誰か
「働かないオジサン」「年寄りは使えない」――。中年の会社員に対して、しばしば向けられる言葉です。長年、経済界や政治の動向を取材し、新自由主義に警鐘を鳴らしてきたジャーナリストの斎藤貴男さんは、「働かない」と社員個人を糾弾することの愚かさを指摘しています。
「働かないおじさん」という言葉、どう思いますか?
「働かないおじさん」という言葉について、フォーラム面でアンケートを実施しています。どなたでも回答できます。
「働かない中年」を非難しているのは、おそらく大企業の若手ですよね。なぜヒラ社員が同僚や先輩を軽々にバカにして冷笑できるのか。僕には理解できません。
「人件費カット」という経営者の欲望
経営者が「会社に貢献しているかどうか」で社員を評価するのは当然です。彼らには人件費をカットしたい欲望が常にある。駆け出しの記者だった1980年代はじめの頃、決算発表で口をそろえて「固定費の負担が大きい」と言うので「固定費って何ですか」と聞いたら、人件費なんですね。四半期ごとの決算発表で景気のいい話ばかりだったのが、年明けになるとそろって「厳しい」と言い出すんです。不思議に思って聞いたら、「春闘があるから」と。設備投資はしても、給料は払いたくないんです。
人件費を払わないために、経営者は何をしてきたのか。記事後半では、カリスマ経営者たちが取り入れた「社員をマインドコントロール」する手法や、経営側に都合のいい「カッコよさげな言葉」にも言及しています。
1990年代の後半、企業が…
- 【視点】
自分も「働かないオジサン」になれたのは、細かい作業は年下がする、という習慣のお陰だなということ。せめて、そのことにもっと感謝して生きていきたい。
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