千葉県に住む女性(49)は悩んでいる。
女性は4年前、乳がんを患い、右胸を切除した。
母も乳がん経験者。通院を続けていたが、今年、新たに片胸にがんが見つかった。
そこで、自分も遺伝子検査をしたところ、卵巣がんや乳がんの発症リスクが通常より高いことが分かった。
今年の秋には、がんになる確率が高いと言われた乳房などを切除するリスク低減手術などを受けることに決めた。
問題は、手術そのものではない。
「入院中、娘をどうすれば……」
女性は小学4年の娘と2人暮らしだ。夫は7年前、がんで亡くなった。
高齢の両親も頼れず……
4年前、娘はまだ6歳。入院中にどこに預ければいいか、役所に聞いたら、児童養護施設を案内された。施設がどんな環境か分からず、娘を預けるには抵抗があった。
そのときは結局、入院している間、隣県の実家の母に預けた。母が面倒をみられない時は、近所の人に頼んだ。
だが、いま、高齢の両親は介護施設に入所しており、頼れない。
手術の入院中、娘を自宅で1人、過ごさせるのは無理だ。同じマンションに住むママ友にお願いしようと思っている。
自分が入院することで、娘には寂しい思いをさせると思う。だからこそ、できる限り変わらない生活を送らせてあげたい。そう考えると、ガラッと環境が変わるであろう児童養護施設はやっぱり気が進まない。
さらに、住んでいる自治体だと、預け先は隣の自治体の施設になる。
「施設自体が悪いわけではありません。ただ、私がいなくても、環境を変えずに過ごせるような居場所があってほしい。入院や病気は急にやってくる。そのとき、すぐ誰かが子どもをみてくれたら」
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寂しくて泣いていた息子
都内に住む女性(52)も、白血病と診断された7年前、当時年長だった息子の預け先に悩んだ。会社員の夫の帰りは夜遅く、この間、入院中の女性の世話のため3日に1回は病院に行く必要がある上、病院からの急な呼び出しもある。理解のある会社とは思えず、職場に相談はできなかった。
病気が分かったのは、息子の小学校入学直前。慌てて学童などの預け先を探して役所にかけ合ったが、申込期間が過ぎているなどとして、とりつく島もなかった。実家は夫婦ともに遠方で頼れず、関西に住む姉夫婦に入院中の1年間、息子を預かってもらった。
入院は10カ月に及んだ。当…