中国軍最高機関、3人が昇格 台湾に精通する何衛東氏を副主席に起用

中国共産党大会2022

北京=冨名腰隆
[PR]

 中国共産党は、23日に開いた第20期中央委員会第1回全体会議(1中全会)で軍最高指導機関の中央軍事委員会の陣容を決定した。制服組トップの副主席は、留任した張又俠氏(72)のほか、新たに何衛東・前東部戦区司令官(65)を起用。7人体制を維持しつつ、同委主席を兼ねる習近平(シーチンピン)総書記の指揮権限を強める組織改革を図る。

 副主席にとどまる張氏と習氏は、父同士が国共内戦で同じ部隊で戦った間柄だ。軍事委もこれまでは党指導部の定年に準じており、張氏は引退が見込まれていた。慣例を破る形での留任となる。

 何氏は、台湾方面を担う東部戦区でキャリアを重ね、19年から現場作戦の責任者を務めた。台湾に精通する何氏の起用は、台湾問題で一定の圧力になりそうだ。

 新たに軍事委メンバーに昇格したのは、何氏のほか、李尚福・装備発展部長(64)と劉振立・陸軍司令官(58)だ。李氏は、魏鳳和氏(68)の後任の国防相に就くことが濃厚だ。

 副主席への昇格が見込まれていた苗華・政治工作部主任(66)と、軍の反腐敗を取り仕切る張昇民・軍規律検査委員会書記(64)は留任。現在のポストを継続する可能性が高い。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
冨名腰隆
政治部次長|政党担当
専門・関心分野
日中外交・安全保障、日本政治、中国政治