均質化する現代サッカーの戦術 勝敗分ける「前戦からのプレス」対応
ドーハ=潮智史
世界中のヒトとカネが欧州に集中する流れが変わらないなかで、変則的なワールドカップ(W杯)を迎えた。
大会に臨む各国代表選手の4分の3が欧州でプレーしている。従来なら、その欧州のシーズンが終わった6月に迎えていた開幕が11月にずれた。カタールの酷暑を避けるためだ。
欧州では1週間前までリーグ戦が開催されていた。シーズン中で試合勘を含めたコンディションは高まっているが、逆にチームとしての準備時間はほとんどない。
短期間でコンビネーションを高められるのか。強豪国でも経験則が生かせない大会になるかもしれない。
19日に国際サッカー連盟(FIFA)の技術分析グループが記者会見を開いた。元ドイツ監督のクリンスマン氏は「欧州はシーズン中なので質の高い大会になる」と予想しながら、同時に「驚きの伴うW杯になるかもしれない」とも話した。「選手がフレッシュでハングリーな状態にある」のが理由だ。
大会の行方が見えにくくなっている理由は別にもある。
W杯が近づくにつれて、ブラ…