高校3年目前、半身まひに CAの夢を諦めた女性がハワイに行くまで

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板倉大地
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 高校3年生になる直前の春、外出先で突然倒れ、左半身にまひを負った。手足は思うように動かない。それでもマラソンに挑戦し続けている女性がいる。スマートフォンの画面を通して、勇気づけたい人たちがいるから。

 昨年12月11日、まだ夜が明けきらないハワイ・ホノルルの道を、百武(ひゃくたけ)桃香(ももこ)さん(25)=福岡市=は杖を片手に歩を速めていた。スマホの画面には、6千キロ以上離れた日本からのエールが次々と届く。「けがなく無理せずにゴールを目指してください」「応援しています」。重くなっていた足をまた一歩、前へ進めた。

 百武さんを異変が襲ったのは2015年4月3日朝のことだった。東京に住む姉の家でトイレから戻った直後、立っていられないほどの激しい頭痛に襲われた。寝ている姉に「頭痛薬取って」と声をかけたが、そのまま意識を失った。

 病院で目覚めたのは3日後。体は思うように動かず、左手から管が何本も伸びていた。病名は脳動静脈奇形による脳出血。治療のための手術はその後4回に及んだ。

 入院生活が長引く中、筋力も弱まり、誰かに支えられていないと体が崩れ落ちるようになった。椅子に座ったりトイレに行ったりするのもままならない。学校に通えず留年が決まったときは、医師と父の前で、初めて大泣きした。幼い頃から抱いてきた客室乗務員になる夢は諦めた。

 でも、入院中に得たこともあ…

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