小指ない男性らのソフトボールチーム NYタイムズ1面に載った理由
7月上旬、日曜日の午後。東京都葛飾区の河川敷で、ソフトボールの試合が開かれていた。
10~70代が所属するチーム「竜友会(りゅうゆうかい)」は、2―12で4回コールド負けだった。足がもつれる選手もいたが、見守るベンチは穏やかな雰囲気だ。
試合後、選手らは連れだって喫茶店へ。昼食のハンバーグ定食を平らげ、仕事の愚痴を言う。「また来週な」。三々五々、帰路についた。
葛飾区ソフトボール連盟3部に所属し、年間を通してリーグ戦を戦う。日程の都合がつくメンバーが集まり、地元企業のチームなどを相手に試合をしてきた。
結成から12年。そんな日曜日を過ごしてきたチームに2月、衝撃が走った。米紙ニューヨーク・タイムズの1面に、竜友会を紹介する記事が写真つきで載った。
「What’s an ex-mobster to do?」(元暴力団員は何をするのか)
竜友会の選手らが汗を流す姿を通じ、日本で元暴力団組員が社会復帰する難しさが描かれた。
竜友会は、所属する約70人のうち約50人が元暴力団組員だ。異色のチームは、どのようにして生まれたのか。
元暴力団員らでつくるソフトボールチームがある。小指のない男性たちが集い、勝敗にこだわらずに楽しんでプレーする。同じ境遇の仲間と体を動かす中で前向きな思いが生まれ、社会復帰の足場になっている。
監督兼選手の竜崎祐優識(ゆ…
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