20頭ほどの牛の群れが道路をゆっくりと横切っていく。車の速度を落として渡り終えるのを待つ。沿道には、草木が茂るのどかな風景が広がっている。
インド西部、グジャラート州の最大都市アーメダバードから車で1時間ほど走ると、「サナンド ようこそ」と書かれた工業団地の看板が見えてきた。やがて「ネスレ」「P&G」「三菱電機」など、各国企業の施設が現れる。その中に米国の半導体大手「マイクロン」の建物もあった。
マイクロンは6月22日、工業団地内に半導体の組み立て・検査施設の建設計画を発表したばかりだ。来年末の工場完成を目指しているという。
総投資額27億5千万ドルのうち、マイクロンの負担は3割の8億2500万ドル(約1180億円)ほどで、残りはインド政府とグジャラート州政府が出す。インドのバイシュナウ電子・情報技術相は「今回の投資は、インドの半導体に関する展望を根本的に変える」と語った。
インド政府が「半導体大国」を目指して関連企業の誘致に力を注ぐのはなぜか。
記事の後半では、インド側の思惑や日本企業の動きなどを紹介します
インドに吹く「追い風」
インドは、人口が14億人を…
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- 【解説】
記事にもあるが、半導体の製造には大量の水と電気が必要。インドでそれを確保するのは極めて難しい。ただでさえ、きれいな水が国民全体にいきわたらず、停電が頻発する中で、半導体工場に優先的に水と電力を供給することになれば、住民に回す水と電気が一層足
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