「涼宮ハルヒの憂鬱（ゆううつ）」「らき☆すた」「けいおん！」……。数々の作品で世界の人々の心をつかんできた京都アニメーション（本社・京都府宇治市）。2019年7月18日、そのスタジオが放火されて社員ら36人が命を落としました。

　なぜ、殺人事件では戦後最悪とみられる犠牲者数となったのか。逮捕された男と京アニの関わりは。解説します。

　Q　多くの人が亡くなることになった経緯は？

　A　京都市伏見区にあった第1スタジオには事件当時、京アニの役員と社員ら70人がいた。

　スタジオは3階建て。消防法などの基準は満たしていたが、吹き抜け構造のらせん階段があり、その1階付近にガソリンがまかれて放火された結果、3階まで一気に激しく燃える「爆燃現象」が起きた。

　またたく間に建物全体に煙や燃焼ガスが広がり、犠牲者の多くが一酸化炭素（CO）中毒で死亡したとみられる。やけどを負うなど負傷者も32人に及んだ。

　Q　逃げた男はすぐ取り押さえられたのに、逮捕まで時間がかかったのは？

　A　男がガソリンに火をつけ…