ウィシュマさん死亡、当時の入管局長ら再び不起訴に 捜査は終結へ
名古屋出入国在留管理局で収容中だったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題で、名古屋地検は29日、殺人などの容疑で告訴・告発された当時の局長ら職員13人について再び不起訴処分(嫌疑なし)とし、発表した。この問題を巡る捜査はこれで終結する。
地検は昨年6月に13人全員を不起訴処分(嫌疑なし)とした。遺族側は名古屋検察審査会に審査を申し立てたが、検審は12月に不起訴不当と議決した。これを受けて、地検が再捜査していた。
検審議決は、殺人や保護責任者遺棄致死の罪については成立しないとしたが、業務上過失致死罪の成否を検討するよう指摘していた。だが、再捜査でもウィシュマさんの死因は特定できず、入管側の対応とウィシュマさんの死亡との因果関係が認められなかったため、地検は同罪も成立しないと判断した。
ウィシュマさんの妹のワヨミさん(31)は「責任のある人がなぜ処罰されないのか理解できない。本当に悲しい」と話した。名古屋入管は「捜査当局における判断、決定については回答する立場にないのでコメントは差し控える」とした。