世界の知と語り、考えるコロナ後の世界 朝日地球会議2023が開幕
「対話でひらく コロナ後の世界」をメインテーマにした国際シンポジウム「朝日地球会議2023」が9日、東京・有楽町朝日ホールで開幕した。人工知能(AI)が人類に及ぼす影響や気候変動問題、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が加速した世界の分断など、地球規模の課題を国内外の識者が議論。より良い社会をつくるためのヒントを探った。オンライン配信も合わせて、12日まで開催する。
9日は、AI開発者で通信アプリ「シグナル」の社長を務めるメレディス・ウィテカーさんが登壇。AIを開発する巨大IT企業に利用者の膨大な情報が集まり、IT企業の利益につながっている危険性を指摘した。
AIの便利さや恩恵、その限界を理解する一方で、偽情報の拡散などの悪用を私たちの社会がどう制御していくか。慶応大環境情報学部の安宅和人教授、ヴィジュアリストの手塚眞さんと議論を深めた。
朝日地球会議2023への参加申し込みはこちらから
「朝日地球会議2023」は10月9~12日、リアルとオンラインのハイブリッドで開催します。9~11日は東京・有楽町朝日ホールに読者の皆様を招待し、同時にライブ配信。12日はオンライン配信のみです。参加費は無料。事前登録が必要です。
このほか、農地やため池など人々が作り上げてきた里山の環境をどう持続可能にしていくかの方策をさぐったり、八ケ岳のエコハウスでの実践を元にした「脱炭素社会」に向けた取り組みを紹介したりするセッションがあった。
10日には、ドイツの哲学者マルクス・ガブリエルさん、米国の政治学者フランシス・フクヤマさん、フランスの歴史家エマニュエル・トッドさんという「世界の知」のインタビュー動画を受けて、揺れ動く世界秩序についての今後の展望を政策研究大学院大の岩間陽子教授、東京大東洋文化研究所の中島隆博所長が議論していく。
このほか12日にかけて、地球温暖化を防ぐための取り組み、宇宙開発の未来、気候変動と感染症の問題、和食の可能性、半導体開発の最前線など、幅広いテーマのセッションに100人以上が登壇する。