年収の壁、政府の対応策の先… 制度そのものを変えられるか

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楢崎貴司 浜田陽太郎
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 パートで働く人らが社会保険料を負担しないよう時間を抑えて働く「年収の壁」問題。政府は「支援強化パッケージ」は「当面の対応」とし、将来的には「制度そのものを変える」(岸田文雄首相)ことで対応する方針です。ただ、「3号被保険者」をはじめ、関係する制度の見直しは簡単ではありません。

 社会保険の被保険者は1~3号に分かれ、「1号」と「2号」は自分で公的年金健康保険の保険料を払う。一方、会社員や公務員の配偶者に扶養される「3号」は自分では保険料を負担しない。

 「保険料の本人負担ゼロ」の3号の制度を残す限り、「負担有り」との間に壁は残る。支援強化パッケージには、「3号」本人が払うべき保険料を穴埋めし、厚生年金をフルに受け取れるようにする助成制度を盛り込んでいる。

 だが、「稼いで負担能力がある」にも関わらず、「壁」を感じずに済むよう制度的に保険料の免除や軽減を図れば、他の制度加入者との間で不公平感が生じる。専門家が集まる厚労省の審議会では9月、そうした措置が社会保険の原理原則に反するとして異論が相次いだ。

社会保険に限らない「壁」も

 問題の根幹にあるのは3号制…

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