「年収の壁」解消、ハードルは「3号」問題 制度見直し難航なぜ
浜田陽太郎
経済対策の一環として、岸田文雄首相はパートで働く人らが、社会保険料を負担しないように働く時間を抑える「年収の壁」を乗り越えるための支援を打ち出した。賃金増に向けた政策を踏まえ、働く環境を整備し、急務となっている人手不足にも対応していく考え。近く「支援強化パッケージ」がまとめられ、10月から実施される見通しだ。
「年収の壁」が問題になる根本的な理由は、会社員や公務員に扶養され、自らは保険料を払わないで年金や健康保険に加入できる「3号被保険者」の存在がある。
フルタイムで就労しなくても、一定以上の時間働いて収入があれば、保険料を払うのが社会保険の原則だ。「負担ゼロ」から「負担あり」になれば、手取り収入は減るのは避けられない。
だが、「壁」は種類によって性質や解決の難しさが異なる。
「106万円の壁」と「130万円の壁」
従業員101人以上の企業で…
- 【提案】
私は年金部会の委員をやっております。部会でも発言したことなのですが、どれだけ負担するのか、どれだけもらえるのかという制度が非常に複雑で、育児や介護で忙しい3号の方々が完璧に把握するというのは、なかなか理解が難しいのではないかなと思っています
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