通勤電車で生まれた「みなとみらい」 名づけ親が街の変化に思うこと

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小林直子
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 42年前の夏。荒井真一郎さん(71)は、職場にあった業界紙の見出しに目が留まった。

 「親しみやすい愛称つけて!!」

 記事は、横浜市臨海部で進めている新たな街づくり計画の愛称を一般公募するという内容だった。生まれも育ちも横浜の荒井さんは、「せっかくだから」と応募することに決めた。

 それから通勤電車内で横浜の風景を思い浮かべる日々が始まった。時間を見つけてはメモにキーワードを書き連ねた。横浜は港、そして、海、未来、21世紀。

 当時、同じ港町の神戸市にポートアイランドが誕生するなど、カタカナの地名や愛称があふれていた。だから、あえて平仮名にしよう……。

 荒井さんは鶴見区出身。市立の小学校、中学校、高校を卒業後、大学で建築を学び、当時の防衛庁に入った。

 ほぼ2年ごとに転勤があり、大阪、北海道、沖縄など各地に赴任した。それでも「横浜は特別だ」という。

横浜市から職場に電話、その中身は

 横浜に戻ると汽笛の音にホッとした。桜木町・関内から元町方面に続く「本町通り」の古い建造物を生かした街並みは、歩くだけでわくわくする。自身の結婚式は1981年5月、港に臨むシルクホテル(中区、現在は閉業)で挙げた。

 その年の10月、職場に横浜…

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この記事を書いた人
小林直子
横浜総局|記者キャップ
専門・関心分野
子育て・教育、スポーツ