第1回聞き返し多い、電話が苦手「もしかして…」 診断されモヤモヤ晴れた
東京都内に住む女性(29)は、昔から「聞き間違い」が多かった。
短大時代、学園祭の実行委員の会議で、ゲストとして呼ぶ芸能人の名前を聞き間違えた。間違え方がおもしろかったのか、教室の中でどっと笑いが起きた。自分もその場の流れで笑ったが、本当は少しだけ傷ついた。
「どうしてうまく聞き取れないんだろう……」
学生の頃からそんなモヤモヤを抱えていたが、社会人になると、さらに大きくなった。
短大を卒業後、ずっと夢だった保育園の先生になった。子供が好きで、どんな時も子供を支え、子供の心に花を咲かせられる先生になりたいと思っていた。
だが、仕事をする中で、たびたび「聞こえにくい」ことに悩まされるようになった。
子供たちのけんかを仲裁しようと、それぞれに話を聞いても、うまく聞き取れない。「子供のしゃべり方が舌足らずのせいかな?」と思ったが、同僚との会話もうまくいかなかった。早口で言われるとわからず、何度も聞き返す。そのうち、だんだんと申し訳ない気持ちになった。
職員会議でも、まじめに聞いているつもりが、いつのまにか話の内容がわからなくなった。空気清浄機や車が走る音の方が大きく聞こえ、話している人の声は小さくしか聞こえなかった。
何よりも電話に出ることが苦手だった。
「そろそろ名前を覚えよう」園長から厳しく注意
毎日、保護者や役所から電話…