第1回世界との差を可視化した「谷型カーブ」とは Jリーグ改革、なぜ今?

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 二十数年前から、サッカーJリーグで浮かんでは消えてきた改革案がある。

 シーズン移行。

 その時々で「秋春制」などと通称を変えながら、メリットとデメリットが議論されては実現が見送られてきた。

 それがいま、導入へ、かじが切られようとしている。

 14日、各クラブの代表者が集まる実行委員会で、移行の可否についての意見集約があった。全60クラブ中、8割超の52クラブが、2026年夏からの実施に賛意を示した。最終決定は19日のJリーグ理事会に委ねられた。

 世界のサッカーは欧州を中心に動く。選手の移籍時期も、国際大会の日程も、代表チームの活動も、「夏開幕、春閉幕」という欧州主要リーグのカレンダーに合わせる形で回る。

 「春開幕、冬閉幕」というJリーグのカレンダーを欧州に合わせれば、日本サッカーの成長は世界基準で加速するというのがシーズン移行の理屈だ。

 ただ、その理屈は具体的な裏づけに乏しかった。移行すれば冬場の公式戦を強いられる降雪地域のクラブの反対、学校の入学・卒業の時期にひもづく既存の枠組みを変えることへの抵抗感も根強かった。

「メリットは何?」 戸惑うクラブ社長

 なぜ、いま、シーズン移行なのか。

 直接のきっかけは「外圧」だ…

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この記事を書いた人
照屋健
スポーツ部
専門・関心分野
サッカー、五輪
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    中川文如
    (朝日新聞コンテンツ編成本部次長)
    2023年12月15日16時0分 投稿
    【視点】

    この連載のデスクワークを担当しています。記事の冒頭にある通り、この二十数年間、浮かんでは消えてきたのがシーズン移行を巡る議論です。私がサッカー担当記者だった時代も、浮かんでは消えました。賛成派の根拠は「ヨーロッパのカレンダーに合わせるべきだ

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    中小路徹
    (朝日新聞編集委員=スポーツと社会)
    2023年12月15日16時26分 投稿
    【視点】

    私がサッカー担当デスクをしていた2012年、秋春制への移行についてどう思うか、朝日新聞社としてJリーグの観戦者からアンケートをとったことがあります。  当時の計40クラブのホームゲームで約20人ずつ、計804人から有効回答を得ました。結果

    …続きを読む

連載Jリーグはどこへ? シーズン移行でめざすもの(全3回)

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