第3回天皇訪中「宮沢総理はOKだが」 自民、ハト派とタカ派のせめぎ合い

有料記事天皇訪中へ 曲折の舞台裏

後藤遼太 浪間新太
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 1992年、史上初の天皇訪中をめぐり自民党政権は揺れ、党内で天皇訪中に慎重なタカ派と賛成のハト派がせめぎ合った。外務省による20日の外交記録公開で秘密指定を解かれた文書に混沌(こんとん)ぶりが生々しい。

 1992年2月25日、外務省の事務次官室。天皇訪中に関する幹部らの協議で小和田恒次官が語った。

 「宮沢総理はOKを出したが、わからなくなってきている」

 89年に即位した天皇陛下(…

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この記事を書いた人
後藤遼太
東京社会部|メディア・平和担当
専門・関心分野
日本近現代史、平和、戦争、憲法
浪間新太
国際報道部
専門・関心分野
ロシア政治・外交、ウクライナ情勢、国際法
外交文書は語る

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