雨降らなくても突然崩れる 各地で起こり得る「凍結融解」は防げるか
滝坪潤一 阪田隼人 机美鈴
雨は3日間、降っていなかった。なのに、突然、山肌は崩れ落ちた。
奈良県下北山村の国道169号で23日夜に起きた土砂崩れ。長年の地震や降雨の影響に加え、県が大きな原因とみているのが、寒暖差によって地中の水が凍ったり解けたりして地盤が緩む「凍結融解」という現象だ。そのメカニズムとは。事前の対策はできるのか。
「寒暖差で凍結融解が繰り返され、もろくなった岩盤が崩れた可能性がある」。発生翌日の24日午前、現地を視察した京都大の大西有三名誉教授(地盤工学)は報道陣を前に語った。気象庁のデータでは、下北山村では21~23日、降水は記録されていない。
山肌だけではない コンクリさえも
凍結融解の詳しいメカニズムはこうだ。
地中や岩に含まれる水分が凍…