河南町、太子町、千早赤阪村が未来協議会「合併も選択肢とした議論」
大阪府南河内地域の河南町、太子町、千早赤阪村は今年度、府とともに「南河内地域2町1村未来協議会」をつくり、公共施設再編や事務の共同化などに加え、「合併も選択肢とした議論」もテーマにしている。「平成の大合併」時、府内での市町村合併は2005年の堺市と美原町のみだったが、新たな合併がありえるのか。
協議会は昨年5月から12月までに3回開催された。これまでの協議会では、太子町の田中祐二町長から「効率的な行政運営は共通の課題。その先には合併ということもあると思うし、どのような合併が良いのか議論できればよい」、河南町の森田昌吾町長からは「2町1村で解決できる課題もあれば、もっと大きな枠組みでという課題もある。一つの方策として合併という文字も出てくる」といった発言があったという。
政府が旗を振った1999年から2010年までの「平成の大合併」では、全国の市町村数は3232から1727(10年3月末)にまで減った。こうした流れのなか、02年に河南、太子、千早赤阪の2町1村は富田林市と法定合併協議会をつくったが、話はまとまらなかった。
現在、催しへの共同参加や事務の共同化などに取り組んでいる2町1村の人口は計約3万2千人。未来協議会が出した「未来予測」では、45年には推計で約2万2千人と、1万人も少なくなる見込みが示された。さらに高齢化率は48・9%、特に千早赤阪村は64・4%に達すると見込む。
河南町の森田町長は取材に対し「生産年齢人口が減り、税収が減っていくことしか想定できない。2町1村で取り組みを進めるなかで、合併が住民のために必要となれば推進すべきだ」と語った。
府内唯一の村、千早赤阪村。富田林市と2町1村との合併協議会が頓挫後、08年には河内長野市と合併協議会を設置したが、これもうまくいかなかった。
村は企業誘致などで活性化を目指しているが、南本斎村長は「村民が楽しく暮らすために、合併をした方が良いのであればすべきだ」と話す。
ただ、平成の大合併時にあった合併特例債といった財政優遇策などはもうない。2町1村でまとまり、さらに周辺の市との合併を検討するにしても、過去に破談を経験している。太子町の田中町長は「効率的に税金を使うことを真剣に議論するのが責任。町を守ることだけに執着するのは責任を果たせない」としつつ、「住民の合併へのアレルギーがあるのは事実」と、対応の難しさを語る。
府は、広域行政や合併などの取り組みを支援する立場だ。2町1村との未来協議会では、合併について、今年度は全国の事例などを研究し、来年度からは「2町1村にふさわしい合併のあり方」などについて議論する方針という。南河内のどんな「未来」を描くのか、行方が注目される。
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