「日本人じゃない」って何? 日本国籍取得、アンさんからの問題提起

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藤えりか
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 北九州市立大学で准教授として教壇に立ち、テレビなどでコメンテーターも務める米国出身のアン・クレシーニさん(49)は2023年11月、日本国籍を取得しました。「日本人になった」とSNSで発信すると、誹謗(ひぼう)中傷を多く受けています。「歓迎」の声もありますが、そこにも別の偏見が透けて見えます。「日本人」って、そんなに狭い意味なのでしょうか。クレシーニさんに、インタビューしました。

 ――X(旧ツイッター)などで以前から積極的に発信してきましたが、もともとどんな反応がありましたか。

 社会問題について発信するたび、「ガイジン」「日本が好きじゃなかったら帰れ」と言われてきました。日本には通算23年住み、居場所もアイデンティティーも日本です。日本の外国人ではなく、住民として見てほしかったのですが。

 ――ところが、実際に国籍を取得しても、Xでさらに中傷を受けていますね。

 当初は「応援しています!」という反応が多かったんです。

Xで相次いだ「日本人じゃない」「大和民族こそ日本人」

 でも次第に、「あなたは日本人じゃない」「大和民族こそが日本人だ」などの言葉が寄せられました。

 しかも、(国籍取得翌月の)23年12月に「日本の文化や価値観を大事にしながらグローバルな社会になっていくことを目指すべきだ」と投稿したら、「日本に多様性はいらない」「国に帰れ」などのコメントもたくさん届きました。

 私を「日本人」と認めたくない人が、こんなにもたくさんいることに驚きました。

 こんなコメントもありました。「アンちゃんなら日本人になっていい」「伝統文化を大事にする人ならOK」と。

 私はこの正月もおせち料理を作ったし、三味線を弾くし、演歌も好きです。そういう「日本文化を大事にする人なら、日本人になってもいい」という感覚なのでしょう。しかも、奥底に「白人は特に歓迎」という考え方も感じます。支持する意味だとしても、差別につながり、それも受け入れられません。

 そもそも「日本人」の定義っ…

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この記事を書いた人
藤えりか
朝デジ事業センター 戦略部 次長|記者サロンなど
専門・関心分野
SNS、戦争被害、難民、労働、ハリウッド
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    磯野真穂
    (東京工業大学教授=応用人類学)
    2024年2月6日6時56分 投稿
    【視点】

    必読のインタビューです。 クレシーニさんのお話から、私たちは「日本人」にどうやら二つの意味を付していることがわかります。 (1)法律上の手続きを踏まえた上で「日本人」になった人々。 (2)大和魂を持っていて、日本の社会問題には肯定的な

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