第7回「大事なことは相談してきた」はずの夫 やっとわかった妻の悲しみ

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西晃奈
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 「ある日違う名字になって、自分が自分でないような感覚になった。やっと見つけた仕事も辞めなきゃいけなかった。この苦しさ、つらさをあなたは分からないでしょう?」

 関西地方に住む60代の男性は、10年ほど前、妻からの言葉に面食らった。

 確かに、結婚して、妻が名字を変えた。転勤が決まれば、妻は仕事を辞めてついてきてくれた。

 でも、大切なことは妻と相談の上で決めてきた。なのになぜ、そんなことを言うのだろう?

 男が働き、女は家事をする。家庭内でもあまり会話がない。そんな家庭で男性は育ってきた。

 大学生のときからの10年来の友人である妻と、35年前に結婚した。風になびく柳のような自分に対して、自分自身をしっかりと持った、どっしりとした山のような女性だとひかれた。

逃げ回った「家庭」「子育て」

 妻は、結婚後に勉強して資格…

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この記事を書いた人
西晃奈
ネットワーク報道本部|大阪府庁
専門・関心分野
子育て、教育、働き方、防災、平和
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