「日本版海兵隊」水陸機動団に三つ目の連隊 米海兵隊と連携強化へ
南西諸島の離島の防衛を専門的に担う陸上自衛隊の水陸機動団(団本部・長崎県佐世保市)で、三つ目の水陸機動連隊(水機連)が21日、竹松駐屯地(大村市)に発足した。同日午前、部隊の発足準備が完了したことを指揮官に報告する「編成完結式」が同駐屯地で開かれた。
2018年3月に発足した水陸機動団は、これまで二つの水機連のほか、戦闘上陸大隊、特科大隊など関連部隊を含めて約2400人体制だった。三つ目の水機連の発足と関連する支援部隊の増員に伴い、団全体で約3300人に拡充される。
竹村駐屯地に発足した、水陸機動団の三つ目の水陸機動連隊。その意義を専門家に聞きました。記事後半で紹介しています。
発足したのは、水陸機動団の第3水陸機動連隊(第3水機連)で、約600人の部隊。水機連は、離島防衛作戦の主力となる部隊で、占拠された離島に隠密に潜入して情報を収集したり、離島の奪回に際して拠点となる地域を確保したりする部隊などから構成されている。
編成完結式では、第3水機連の連隊長についた高田剛一・1等陸佐が、団長の北島一・陸将補に部隊の発足準備が整ったことを報告。北島団長は「相手の攻撃を抑止する、戦争を未然に防ぐ。日本の平和を守ることが諸官の究極の任務だ。諸官が流す汗は、この国を守りぬくこと。日本の平和を守ることにつながるのだということに思いをいたし、励んでもらいたい」と訓示した。
第1、第2の水機連は団本部がある相浦駐屯地(佐世保市)を拠点とする一方、21日に発足した第3水機連は、竹松駐屯地を拠点とする。
三つ目の水陸機動連隊 その意義は
南西諸島の防衛態勢を強化する「南西シフト」を進める自衛隊。そんな中、離島防衛の専門部隊で「日本版海兵隊」とも称される陸上自衛隊の水陸機動団に、三つ目の水陸機動連隊が発足した。狙いや今後の課題は何か。陸自で長く防衛力整備に関わり、米海兵隊の動向にも詳しい磯部晃一・元陸自東部方面総監(陸将)に聞いた。
――陸上自衛隊の中で離島防衛の専門部隊と位置付けられる水陸機動団に三つ目の水陸機動連隊が発足します。どういう意義がありますか。
大きく三つあります。一つは抑止力の向上です。部隊が拡充し、三つの連隊を運用できるようになることで、特に、東シナ海、南西諸島の防衛に対する抑止力が全般的に高まります。
二つ目は即応態勢がしっかり…