火鍋店が相次ぎ閉店…「踊り場」に来たガチ中華 もっとガチな新展開
ブームから踊り場へ 「ガチ中華」から見えるもの(下)
日本人向けにアレンジしない本場の料理を味わえる「ガチ中華」に詳しい「東京ディープチャイナ研究会」代表の中村正人さんによると、コロナ禍でも成長してきたガチ中華のブームが踊り場を迎えているといいます。ガチ中華の代表とも言える火鍋店に閉店が相次ぐ事態も現れています。一体、ガチ中華に何が起きているのでしょうか。そこには、新しい方向性も見えつつありました。
――コロナ禍で飲食業が低迷する中にあっても、ガチ中華は増えてきました。現状はどうなっていますか。
昨年末に東京・新宿を歩いていて、その2年ほど前に「開店ラッシュ」として紹介していた本格四川火鍋店10店のうち、5店が閉店していることに気付きました。火鍋店は調理人が不要でオペレーションも簡単なため、出店しやすい業態です。おそらく真っ先に過当競争になってしまったのだと思われます。
在日中国人が多く住む埼玉県の西川口にも行ってみましたが、やはり一時期増えたガチ中華の閉店が目立ちました。コロナ禍で店の数が増えましたが、その前の規模に戻ったという印象でした。
――どうして店が減ってしまったのでしょうか。
コロナ禍で中国に戻れないなかで故郷の味を強く求めていた人たちが、日常生活が戻るにつれてそんな思いがそれほど切実でなくなったということがあるかと思います。そうなると、火鍋店のように特色が乏しく、出店が過剰になったものから閉まっていくことになります。
ブームだったはずの「ガチ中華」の店が、いつの間にか減っていた背景には、日本人と中国人双方の事情があったと言います。そんな中で、社会の変化に対応したガチ中華の新しい動きについても、記事後半で紹介します。
少数民族系の店が増えた
また、これまで店によく行っ…