液状化防ぐため「地下水位下げて」 専門家、新潟市などに対策案提示

北沢祐生
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 能登半島地震で液状化現象が多発した新潟市西区の地盤を調査した新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志所長が15日、結果や対策案を同市などに報告した。液状化は比較的地表に近い深さ1~3メートルで起きていると指摘。今後の防止策として地下水位を2メートルほど下げることで液状化が起きにくくなるとした。

 研究所は3月中旬、被害が深刻な西区寺尾や善久などの計6地点で地盤の強度や地層の状況などを機材を用いて調査した。液状化は地下水位が高く、地盤が砂の地域で発生しやすいとされる。今回の調査地点は日本海沿いに延びる新潟砂丘の裾野にあたる地域や、かつて信濃川の流路だった場所などで、そうした特徴に該当するエリアだという。

 卜部所長によると、今回の調査地点では液状化は深さ1~3メートル程度で発生していたという。いずれも透水性が高い砂の層が続いていることから一体的に防止対策が立てやすいと説明。液状化は地下水位より下で起きることや過去の被災地で実施された事業例などを挙げながら、地下水位を下げることで液状化しない層を一定の厚さ以上に確保する工法があると述べた。

 卜部所長は「液状化に強い街をつくっていく可能性を学問的に示した。復興への道のりは長いが、少し先のことを考えるステップとしてもらえれば」と話した。

 市は5月に専門家による検討会議を設ける予定で、中原八一市長は今回の対策案も含め「今年度をめどにエリアごとの対策工法をまとめていく」という。

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