第1回SNSの「掃除人」たちが働く部屋 巨大IT委託、数分で削除の判断
どれだけ読まれ、表示され、再生されたのか。デジタル空間で「数字」が重視される中、言論空間は大きく変容しています。37年前の5月3日に朝日新聞阪神支局が襲撃され、記者が殺傷された事件を機に始まった「『みる・きく・はなす』はいま」。今回は、SNS社会で増幅していく社会のゆがみを追いかけます。
暴力や脅迫、性的行為を映した動画が高速で流れる。削除するか、1本あたり2、3分で決めなければならない。
東南アジアの高層ビルの一室。「SNSの掃除人」と呼ばれるコンテンツ・モデレーターたちが、ヘッドホンをつけて黙々とパソコンに向かう。ネット上の不適切な投稿の削除などを判断する仕事だ。
動画投稿サイトを運営する巨大IT企業の委託先で働く日本人男性が、「仕事内容をあまり話さないよう言われている」と、名前も年齢も出さない条件で、取材に応じた。
24時間体制、3交代で、月給は20万円台だ。言語ごとのチームに分かれている。保秘は厳しく、部屋にはスマートフォンはもちろん、ペン1本も持ち込めない。
出社すると、二つの画面の電…
- 【視点】
私がツイッター(現X)を始めたのは、2014年のことです。当時のツイッターを介したコミュニケーション、いまに比べれば、とっても温かく、ほのぼのしたものでした。それが、いつのまにか、そうではなくなってしまいました。コンテンツ・モデレーターのみ
…続きを読む